みなさん、お疲れ様です。
仕事を辞めて留学したということで、よく「収入ってどうしてるの?」「バイトしてますか?」など聞かれることがあります。
私はTA(ティーチングアシスタント)をして、少しの収入を得ています。
今日はそのTAのお仕事について、ブログに書いてみたいと思います。
学校や学科によって異なる部分もあると思いますが、一個人の経験談として参考にしていただけると幸いです。
TAの仕事内容
これはあくまでカナダの文系修士課程の学生である私が担当するTAの仕事内容ですが、
授業の準備の手伝い、資料作成、テストの採点が主な業務です。
実習や実験を伴う学部のTAは、一緒に授業に出席して学生をサポートするなどの業務もあると思います。
TAになるには
これは学校や学部によって様々なようです。
私の場合は、大学院合格と同時に、入学奨学金とTAの仕事提供も約束されており、時期が来ると担当科目をアサインされる形でした。
他の学校では、自分から教授や担当者に連絡してTAの仕事を取ってきたり、募集がかかったら積極的に応募してTAの仕事を得る必要がある場合もあるそうです。
TAをされたいと思っている方は、どうすればいいか早めに自分の学部の担当者に問い合わせてみると良さそうですね。
TAをすることのメリット
経験としてCVやレジュメに堂々と書ける
もし次にPh.Dや教職などにアプライしようと思う時に、TAをした経験はTeaching Experienceとして立派に履歴書に書けます。
課外活動やインターンなどをしていない私にとっては、重要なアピール項目です。
時給が高い
私のTA時給は約27ドルです。
2021年6月現在BC州の最低時給は15.20ドル*なので、飲食店などでのアルバイトと比べると、効率よく収入を得ることができると言えるのではないでしょうか。
*“Minimum Wage – Province of British Columbia.” 2019. Gov.bc.ca. 2019. https://www2.gov.bc.ca/gov/content/employment-business/employment-standards-advice/employment-standards/wages/minimum-wage
生徒からいろいろとヒントをもらえる
学部生でも優秀な生徒はたくさんいるので、エッセイの採点などを通して彼らから学べることが山ほどあります。
初めてのTAで知り合った教授は、「この生徒の天才的なエッセイを見て!彼女に満点をつけようと思う!」と、ある生徒のエッセイを見せてくれてベタ褒めしていました。
高得点を取れるのはどういうエッセイなのか、どういう回答が教授の目を引くのかなどを、TA業務を通して学ばせてもらいました。
知り合いの教授が増える
自分の担当教官以外の教授と知り合えるいい機会になります。
特に日本語は、日本語ネイティブである自分は絶対に取らないであろう科目なので、日本語のTAをして担当教授と知り合えたのはとても幸運でした。
今まで関わってこなかった日本語教育に興味が湧いて、教授法など様々な面でアドバイスをいただきました。
TAをすることのデメリット
特に思いつきません。
強いて言うなら、自分のテスト期間とTAの採点業務が被ってしまうときついです。
それくらいですね。
私はTAの仕事の依頼が来たり募集を見かけたら、どんどんチャレンジしたらいいと思っています。
2020秋&2021春 私のTA業務内容
ここからは、ほぼ私個人の話になります。
2020秋
このセメスターは、日本の歴史と、日本の映画史の2つの授業のTAを担当しました。
提示された勤務合計時間は130時間です。
簡単な小テストや記号問題の採点かと思いきや、がっつり中間と期末のエッセイ採点を任されてしまいました。
ある程度自分に馴染みのある内容の授業だとは言っても、もちろん授業は全て英語で行われエッセイも英語なわけですから、本当に苦労しました。
英語のエッセイを読むだけでも時間がかかるし、そしてそれを採点って・・
全て採点が終わってから一応教授に目を通していただいて、点数が高すぎたり低すぎたりするものがあれば訂正してくださいとお願いしました。
2021春
前述の通り、秋のTAの業務を通して、英語がそこまで達者でなくしかも留学1年目の私が学部生のエッセイを採点するのは正直きつかったですし、細かいアドバイスなどができず生徒のためにもならないと思ったので、
アサインされる前に自分から日本語科目のTAを志願してみました。
すると日本語の教授からも、ネイティブが来てくれて助かる!と言っていただけて、日本語科目のTA業務を2つ獲得することができました。
勤務合計時間は110時間です。
日本語なら、文法の間違いや、表現の違いなど細かなアドバイスができると思っていました。
しかしここでも私の予想は外れ、エッセイや小テストの採点業務は一切なく、TA主導でのセッションを持つことになってしまいました。
生徒から見ると、「教授の授業で文法などを学ぶ(週2回)+ TAのセッションで授業の復習&実践(週1回)=週3回」の出席が必要になるという授業スケジュールでした。
これは本当に想定外で、人見知り引きこもりの私がZoomで毎週セッションを持つことにも躊躇いましたし、クラスを小グループに分けて行うので50分のセッションを合計週7回も持つことになり、自分の勉強との両立が厳しくて泣きそうでした。
教授が言うには、これはコロナ禍のオンライン授業だから始めたものであって、来期から対面に戻ればおそらく従来通り採点業務をお願いするだろう、とのことでした。
他の教授からは、「今年の日本語TAは大変だよね〜笑」と…。
はい、大変でした!!!
でも学期も終わりに近づくと大分慣れたのか、セッションを苦と思わずむしろ楽しんでいる自分がいました。
自分の授業も全てオンラインで、大学に友達もいない私にとって、毎日たくさんの学生と話をすることで気も紛れていたのだと思います。
日本語教育にもっと携わってみたいと思えたのは、このスパルタスケジュールのおかげです。
これまでTAをやってみて
先ほど、「大学院合格と同時に、入学奨学金とTAの仕事提供も約束されていた」と書いたのですが、実はこれの意味が最初あまりわかっておらず、
「頑張ればTAできるチャンスもありますよ〜」程度だと思っていて、必ずできるものだとは思っていませんでした。
学生生活に慣れたら応募してみよう。採用されるかどうかは知らんけど・・ぐらいに考えていたので、TA収入を頭に入れずに完全無収入で貯蓄をひたすら切り崩して2年間過ごすていでカナダに来ました。
なので、月々数100ドルでも収入が得られることは本当に大きかったです。
長年社会人を経験していて、しかも子供がいるとなれば、「無職」「無収入」という状態が精神的にすごく不安なんですよね。
TAの仕事をすることを前提に考えることができれば、資金面で大学院留学を迷っている方のハードルも少し低くなるのではないかと思います。
まとめ
以上、カナダの大学院でのTAのお仕事についてまとめてみました。
9月からの新学期もTA業務をいただけると思うので、勉強と両立して頑張ろうと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。